芋煮ガールが担う、山形の人々と文化を“繋ぐ”役割 “アーティスト”としての出演理由を辿る

 グラビアアイドル・真奈が4月20日、野外音楽フェス『岩壁音楽祭』に“芋煮ガール”として出演することを発表した。

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 同情報の解禁時より上がったのが、「芋煮ガールってなに?」との声である。これまで、様々な企業がプロモーション活動に際して起用してきた“キャンペーンガール”。芋煮ガールもまた、その枠組みに収まるものだ。しかし、今回の配布物が芋煮であることや、芋煮×グラビアアイドルという掛け合わせが従来にはなかったこと、さらには“芋煮ガール”という思わず声に出して読みたくなる日本語に、数多くのユーザーが心を惹かれたことだろう。本稿では、山形県における芋煮の位置付けなどを踏まえつつ、芋煮ガールへの期待を記したい。

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 芋煮は、山形における郷土料理のひとつ。醤油の味付けをベースに、秋の味覚である里芋をはじめ、牛肉やごぼう、長ネギなどを煮込んだものだ。また、大人数が集まって芋煮などの鍋料理を囲む、東北地方の季節行事を“芋煮会”と呼称。山形における同行事の起源は、1690年代の元禄期にまで遡る。古くから親しまれることがよくわかるだろう。


 そんな芋煮会は、様々な文化が交わる場所でもある。ここでは、普段より親しみある近隣住人はもちろん、時には国境を越えた者同士でさえ、容易に心を交わすことができる。様々な文化的背景も、温かな大煮鍋をともに囲めば、自然と認め合えるようになるのだ。そんな人々や文化の仲介役が、食事としての芋煮、そして今回の芋煮ガールに他ならない。芋煮ガールが『岩壁音楽祭』という新興フェスに欠かせない理由も、自ずと理解できるはずだ。

山形で開催される、日本一の芋煮会フェスティバル

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 また、真奈は冒頭にある情報解禁時、“追加アーティスト”としての出演発表がなされた。『岩壁音楽祭』は、ロケーション特化型フェスである。出演アーティストが内に秘める可能性も、岩壁との掛け合いで自然と呼び起こされることだろう。

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 これはおそらく、芋煮ガールも同様だろう。彼女が当日、どのような衣装を纏い、いかなるスタンスで芋煮配布に臨むのか。今のところ、その光景は目に浮かばないと思われる。しかし、当日に目撃できるのは、“岩壁×芋煮×アイドル”という、山形性を凝縮したような構図に違いない。芋煮ガールが“アーティスト”(=表現者)として銘打たれた理由、さらには2019年の音楽シーンに誕生した必然性さえ、そこで確認できることを期待してほしい。

 芋煮ガールは、文化を仲介する担い手である。芋煮配布が多くの人々を繋ぐことはもちろん、彼女の存在が山形旅行のきっかけにもなるはずだ。ここまで難しい言葉を並べてきたが、まずは芋煮ガールという概念に興味を抱き、『岩壁音楽祭』に足を運んでいただきたい。芋煮ガールとの出逢いは、新たな文化や音楽との出逢いになるーー。

Masaki Ueda